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いじめ・不登校



「発達障害と不登校」                精神科医   武田俊信

 知的な遅れの程度に関わらず発達障害の子どもも不登校になります。 ただ、自閉傾向のない精神遅滞のお子さんよりも、自閉傾向のあるお子さんに生じ易いようです。 これは自閉症をはじめとする広汎性発達障害の症状の一つである強いこだわりが、不登校を生じさせたり、長期化させる要因となるからでしょう。 また、遅れがあまりない子では、自分と周囲との能力差や学校での不快な出来事に敏感になり、学校が嫌な場所になってしまい、不登校につながってしまうことがあります。 不登校のきっかけとして、いじめ、学校行事、クラス替え、カリキュラムの変更、普通学級での学習が困難、学校・先生との問題などがありますが、はっきりしない場合も多々あります。
  不登校が出現する時期に関しては、小学校に入学した時期と小学校高学年にピークがあり、前者では母子分離の問題が背後にあるケースが多いようです。 知的に遅れのあるお子さんの場合は高校生になっても分離不安の問題が不登校の原因となっているケースがあります。 広汎性発達障害の対人関係の問題を考えると、小学校高学年に不登校が多くなることは想像に難くないでしょう。 学校での不適応から医療機関を受診し、はじめて広汎性発達障害の診断を受けるケースもあります。このようなケースでは父母の養育態度が悪いと学校側から誤解を受けるなど親が辛い思いをすることも稀ではありません。 広汎性発達障害では、社会的基準などを認知する社会能力の発達が困難なため、そもそも学校に参加することの動機付けが 困難であるという指摘もあり、障害の特性に添ったアプローチが必要となってきます。
  学校に行かなくなってからの期間が短いうちに適切な働きかけをしたほうが再登校に結びつ きやすいことはいうまでもないことであり、特に広汎性発達障害のお子さんの場合には前述のように不登校が長期化しやすい傾向にあるため早めに対処したいものです。 もしもお子さんが学校に行かなくなってしまったときは、親御さんだけで悩まずになるべく早めに 医療・相談機関と連絡をとることをおすすめします。 てんかん等の併存症がある場合はもちろん、診断の難しいケースや薬物の使用も考慮しなければならないお子さんは特に精神科の 利点が生かせると思います。 精神科はしきいが高いかもしれませんが、あまり構えずに相談にきてもらいたいものです。

2003年版

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