目次へ戻る   地域生活支援と制度

中高生の地域生活支援   北信圏域障害者生活支援センター  福岡 寿

* 地域のいろんな方に託していく……

「いつの間にか、母親の私でないと何だか不安で、障害のあるわが子、確かに大人になっているのはわかっているけど、年々他の方に外出とか託せなくなってしまってきています。」
「グループホームがいいってよく聞くし、地域での自立した暮らし、という考え方はよくわかるんですけど、今はこうやって家族でやっているし、それはそれでいいんだけど、このままずっと、この生活がなんとなく続いてほしいという気持ちと、グループホームとかで暮らしをつくっていってほしいという気持ちと、複雑です。」……親御さんから、よくこんな声をききます。
 自立とか社会参加とか……もちろん、学校を卒業したときから始まるのではなくて、それは生まれたときから、学校に通っているときからずっとそこに向けて、いろいろな経験は始まっているということを考えると、学齢期、特に、中学・高校になっていくときにどのように子供にいろんな経験をしていってもらう環境をつくっていくかということがとっても大切だと思います。
 私どもの地域でも、今回の外出とか、いろんな経験とか、確かに親が付き添っていくことも十分できるんだけど、意識的に、ボランティアとか、近所の方とか、同級生とか、先生とか、或いは、生活協力員やヘルパーさんと……という形で、子供の経験を広げている親御さんもいらっしゃいます。
 そこで、どんなことが大事か、いくつか考えてみました。

* ホームヘルプサービスを活用する

来年度から、支援費支給制度が開始することはよくご存じだと思います。
ホームヘルプサービス(居宅介護)の移動介護(社会生活上必要不可欠な外出や余暇活動等社会参加のための外出)を中心とした支援をどんどん活用していけたらいいと思います。
 もちろん、市町村の支給決定が必要ですし、地域にそうしたサービスを提供する事業者がたくさんあってほしいわけですが。

* グループホームなどで暮らしていく生活を見越して、例えばお泊まり体験

今月まで家族で暮らしてきた、来月からはグループホームに引っ越す。そして、そこで暮らしていく。
 しかし、人の暮らしですから、そんなにスムースにはいかないのが現実です。 中高生のころから、たまに親御さんの元を離れて宿泊してみる体験、それが、年に何回かの行事ではなく、日常として位置づいていったらいいと思います。
 何となくそうした生活が経過していく中で、自然な形でグループホームなどの暮らしに進んでいけると思います。
 子供のことをよくわかってくれて、ていねいに支援してもらえるのであれば、ショートスティを定期的に利用したり、仲間と、お泊まりの家などを確保して、お泊まり体験を進めていってくれたらと思います。

* ケアマネジメントに親御さんも大いに関心を

高校生になってくると、卒業後のことが心配になってきます。学校では、職場実習をしたり、いろんな場で卒業後を見越した学習活動を進めていくと思いますが、卒業の二年前くらいになったら、関係者でケア会議などを開いてもらえるといいと思います。
もちろん、先生に呼びかけてもらってもいいし、地域のコーディネーターでもよいでしょうし、もちろん親御さんが声をかけてもいいと思います。
 例えば、障害が重いけど、卒業後は身近な町の高齢者ディサービスを利用できないか、その時に一人介護職員を確保してもらえないか、土日はホームヘルプなどで本人の社会参加活動に付き添ってもらえないか、週のうち、一日は、仲間だった卒業生が通っている福祉作業所に参加できないか……そうしたイメージを膨らませながら、週プランなどを作って、卒業後に向けて、関係者が頭を寄せあっていくような形になっていくと、とっても見通しが明るくなっていくと思います。

福岡 寿(ひさし)
    社会福祉法人高水福祉会・北信圏域障害者生活支援センター所長
    全日本手をつなぐ育成会 「手をつなぐ」 編集長
    全日本地域生活支援ネットワーク運営委員
  • 編著  コーディネーターがひらく地域福祉  2002年2月
  • 著書  施設と地域のあいだで考えた     1998年4月
2003年版





目次へ戻る  ページの先頭へ戻る

Copyright (C) 2001-2003 ガイドブック作成委員会 All rights reserved.