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療育

子どもの障害に気がついたとき、少しでも治してやりたい、普通に近づけたいと思います。 早くなにかを始めなきゃいけないとあせり、どういう方針で子育てしたらいいのか悩む時期が誰にでもあります。 評判を聞いて問い合わせた療育機関に待機児が多くて見学もできないとか、入れるのは半年先、1年先になるかもしれないと言われたら、不安になってしまいますよね。 療育機関はたくさんあって、方針は様々です。 子どもに合うか合わないかは、もう百人百通り、それぞれです。 プロの手を借りたから子どもの成長が違ってくるなんてことは、普通の子どもでもなかなかありません。

成長した後、親亡き後を考えるとあせる気持ちもわかります。 でも、障害がある子どもにとっても、一度しかない幼児期です。 子どもとして幸せに過ごす時間を大切にしてあげてください。 障害が原因で本人が困っていること、苦痛になっていることを減らすために、通じにくい気持ちを分かり合うために療育に通うのです。 社会で生活していくために身に付けなくてはいけないことは、子どもによって違います。 自分らしく生きていけるように本人に必要なことを考えて、無理のないペースで子どもの成長を見守っていきましょう。

療育機関(居住地制限なし)
知的障害児対象(自閉症・情緒障害・発達障害も含む)
造形リトミック教育研究所
http://www.zoukei-rythmique.com/
国立市東三丁目13-21
TEL 0425-73-0830
その子にあった指導方法で算数・国語を教える; 他に絵やコンピューターなども独自の方法で指導している
旭出学園教育研究所
http://www5b.biglobe.ne.jp/~asahidek/
練馬区東大泉七丁目12-16
TEL 03-3922-4422
発達障害児の教育相談と指導を行う。マカトン法を療育に取り入れている; LD児の療育あり
仙田子どもの発達研究所 練馬区高野台三丁目15-35-306
TEL 03-3997-0142
自閉症児が中心; 夏季合宿有
家庭生活研究会 心理相談室 こぐまグループ 杉並区高円寺南三丁目31-18 家庭生活センター内
TEL 03-3314-0421・0422
他に個別の心理相談もあり
東京都立梅ケ丘病院
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/umegaoka/
世田谷区松原六丁目37-10
TEL 03-3323-1621(代)
自閉症児対象。TEACCHプログラムを取り入れている; 3・4歳児 週4回、5歳児 週1回、6歳児〜月1回; 紹介状が必要
NHK厚生文化事業団
http://www.npwo.or.jp/
渋谷区神山町4-14 第三共同ビル
TEL 03-3481-7855
発達に障害のある幼児・児童の療育の悩みに答える相談会や、親を中心に家庭での療育方法を個人面談で指導する
代々木スピーチクリニック渋谷区代々木一丁目21-1中島ビル2階
TEL 03-3379-1665
言葉や発達に遅れを持つお子さんのための発達援助・療育の専門機関; マンツーマンのセラピー、グループトレーニング(調理・キックベース等)教科学習、夏休みのサマーキャンプもあり
田園調布ピノキオルーム 大田区田園調布二丁目39-11
TEL 03-3722-4304
代々木スピーチと同系列
「明治安田こころの健康財団」 子ども総合ネットワーク http://www.my-kokoro.jp/
2004.4.より(旧 安田生命社会事業団) 旧URL http://village.infoweb.ne.jp/~ymind/
(以下はホームページで“相談事業”の項を参照ください)
子ども療育相談センター豊島区東池袋一丁目34-5
TEL 03-3986-7060
自閉症や発達遅滞等の知的障害を持つ子どもの療育相談と治療教育を行う
すこやか相談室 豊島区東池袋一丁目34-5
TEL 03-3590-6471
0歳から小学校低学年まで発達に関する相談、子供自身にプレイセラピーを行う
銀杏の会 御茶ノ水発達センター
紹介 http://myoujinshita.jp/ginnan/d-intro.html
文京区湯島一丁目2-13
TEL 03-3253-1811
療育方法 太田ステージ; ADHD、LD児も受け入れている
日本ダウン症協会 (JDS) ひよこ教室
http://www16.ocn.ne.jp/~jds2004/
文京区弥生一丁目3-12 聖テモテ教会内
TEL 03-3818-1931
障害児と健常児の統合保育を行っている;主にダウン症児が対象
畑中こども研究所
http://www.hatapapa.gr.jp/
文京区湯島四丁目6-11-A601
TEL 03-3815-0008
自閉症児中心
東京カリタスの家
http://www.tokyo-caritas.org/
c.f. カトリック関口教会教会学校
文京区関口三丁目16-15
TEL 03-3943-1726
自閉傾向・知的障害児などのグループ指導を行う; さまざまな家族の問題、子育て、教育、法律など 多岐に渡って相談可
リソースセンターone
http://www5b.biglobe.ne.jp/~r-one/
〒111-0043 東京都台東区駒形一丁目1-10
TEL 03-3843-9468
FAX 03-3843-9456
“軽度発達障害児の発達特性を理解した上で、集団指導・個別指導などの指導や相談他を行い、幼児から高校生までの一環システムでサポートできる機関として、1997年設立。”
社会福祉法人からしだね うめだ・あけぼの学園
http://www.umeda-akebono.or.jp/
旧 http://www5.uff.co.jp/Umeda-akebono/
足立区梅田七丁目12-5
TEL 03-3697-7215
身体の療育も行われている。また、施設療育関係者や保育士、幼稚園講師のための講座も開いている
社会福祉法人野百合会 のぞみ発達クリニック
http://www.nozomic.org/
津田 望 (のぞみ発達クリニック 所長 臨床言語士)
〒125-0054 東京都葛飾区高砂七丁目26-3(葛飾区立住吉保育園3F)
TEL 03-3627-9029/FAX 03-5660-1600
京成高砂駅より徒歩10分
肢体不自由児対象
緑成会整育園 小平市小川西町二丁目35-1
TEL 0423-41-3011
重度心身障害児と肢体不自由児の療育を行っている
東京都立多摩療育園  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamaryo/ 府中市西府中四丁目7-1
TEL 042-366-2311
肢体不自由児通園施設 その他の障害は外来中心(0〜2歳児にはグループ指導あり)
東京都立北療育医療センター  http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kitaryo/ 北区十条台一丁目2-3
TEL 03-3908-3001
肢体不自由児通園施設、外来、スポーツ施設完備
中央愛児園  紹介ページ
全国心身障害児福祉財団 http://www.shougaiji-zaidan.or.jp/より
新宿区西早稲田二丁目2-8
TEL 03-3203-1211
 
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旭出学園教育研究所について   旭出学園教育研究所   服部由紀子     2001版

    旭出学園教育研究所は、知的な発達に遅れや偏りのあるお子さんの指導や相談を行っている機関です。 昭和35年に学校法人旭出学園の中に開設されました。 現在、定期的に通所されているのは、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥症候群)、自閉症、ダウン症などの障害を持つ約50人の幼児・学童のお子さんです。

     指導の形態には大きく分けて、個別指導とグループ指導の2つがあります。 個別指導では、指導者と1対1で、言語・数・教科指導・学習に取り組む姿勢作り・遊びなど、ひとりひとりに合わせた指導を行っています。 グループ指導では、遊びのルールを理解し、友達との関わりの楽しさを体験することをめざしています。 毎回、指導のためにやってくるお子さん達に顔を合わせる瞬間は、とても楽しみでもあり、また、私達指導者にとっては少し緊張する一瞬でもあります。 嬉しそうに挨拶をする子、恥ずかしそうに挨拶をする子、挨拶もそこそこにいそいそと指導室に向かう子、にやっと笑いながらわざと違う部屋に入ろうとする子、プレールームのお気に入りのおもちゃにまっしぐらな子・・・などなど。 表現の仕方は違っても、いろいろな形で子ども達が送ってくるメッセージを出来るだけ受け止め、わかる形で返していきたいと努めています。 どのお子さんにとっても、言いたいことがわかってもらえたり、好きな遊びがみつけられたり、友達や指導者との関わりが楽しめたり、何かに取り組み、やり遂げる喜びが実感できたり、そんな場を作ることができればと願っています。


       旭出学園教育研究所 http://www5b.biglobe.ne.jp/~asahidek/
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療育機関(東京都在住者限定)
知的障害児対象(自閉症・情緒障害・発達障害も含む)
東京都立東大和療育センター
http://www.hmc-smid.jp/
東大和市桜ケ丘三丁目44-10
TEL 0425-67-0222
重症心身障害児対象にグループ指導あり
社会福祉法人 雲柱社 賀川学園
http://homepage2.nifty.com/kagawagakuen/
小金井市貫井北町五丁目8-1
TEL 042-322-6574
主に自閉傾向や発達遅滞の幼児を対象にプログラムを設定; 年齢別にグループ保育; (知的障害児通園施設)
社会福祉法人 雲柱社 賀川学園さくらの木 小金井市貫井北町五丁目8-1
TEL 042-322-6934
小金井グループは小金井市在住のみ; 他に有料の幼児・学童・18歳未満のグループ活動や個別指導あり; こちらは地域限定無し
社会福祉法人嬉泉 http://www.kisenfukushi.com/ → 事業案内
子どもの生活研究所 めばえ学園
世田谷区船橋一丁目30-9
TEL 03-3426-2323
療育方法 受容的交流 他に成人まで対象の「こぐま学園」もあり。主に発達遅滞児・自閉症児が対象
社団法人 精神発達障害指導教育協会(発達協会) http://www.hattatsu.or.jp/
神谷指導室 北区神谷二丁目17-2
TEL 03-3903-3801
指導は週1回 北区及び東京都在住の子が対象
王子指導室 北区王子四丁目2-11
TEL 03-5390-3911
指導は週1回と月に2回の2種類
赤羽指導室 北区赤羽一丁目29-4 アイビーハイツ赤羽
TEL 03-3903-3803
指導は月に2回と一部月に1回 ADHD、LD児が対象
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居住地限定の療育機関
三鷹市 知的障害児・肢体不自由児対象
児童デイサービス くるみ幼児園三鷹市北野一丁目9-29
TEL 0422-48-6331
北野ハピネスセンター
心身障害児の母子に対して、療育指導を行う; 児童デイサービス
武蔵野市 心身障害児通所訓練施設 
武蔵野障害者総合センター べこのこ学級武蔵野市吉祥寺北町四丁目11-16
TEL 0422-54-7666
 
小金井市市内・周辺の市 知的障害児・肢体不自由児対象
小金井おもちゃライブラリー&こども相談室小金井市貫井北町二丁目11-7 NSハウス109
TEL 042-384-4231
乳幼児期は主に療育活動、学齢期は放課後活動が中心
ピノキオ幼稚園 小金井市梶野町五丁目11-4
042-387-9846
運動能力・言語等、生活訓練
練馬区 知的障害児・肢体不自由児対象
練馬区立心身障害福祉センター練馬区貫井一丁目9-1
TEL 03-3926-7211
早期発見・早期療育の為、ダウン症早期療育事業と乳幼児発達巡回相談を実施
練馬春日町幼児教室練馬区春日町二丁目28-3 春日町児童館1階
TEL 03-3996-8506
心理判定員が月に1回個別指導をし、年2回学習会を行う; 週1回の水泳指導あり
かめの子教室練馬区西大泉五丁目32-23 細波方
TEL 03-3921-1675
水曜日と土曜日に行われる。空きが出た年度に区報で募集する
練馬区 知的障害児・肢体不自由児・視覚障害児・聴覚障害児対象
練馬手をつなぐ親の会 幼児教室練馬区南田中五丁目15-25 南田中児童館1階
TEL 03-3995-6901
集団保育を目的とする; 心理職員が2ヶ月に1回来室
練馬区・杉並区 重度心身障害児対象
高円寺療育センター杉のみ杉並区高円寺南3-31-18 家庭生活センター内
TEL 03-3312-8182
 
中野区 障害児対象
療育センターアポロ園 中野区
03-3389-3700
日常生活の指導及び訓練 
杉並区 知的障害児・肢体不自由児対象
いたる臨床発達指導センター
http://www2.famille.ne.jp/~itaru-as/
杉並区天沼一丁目15-18
TEL 03-3392-7346
精神発達障害児や自閉症児などの療育を行う
心身障害児通園施設 つむぎ子ども教室 杉並区阿佐ヶ谷南三丁目21-20
TEL 03-5397-1821
 
杉並区立こども発達センター 杉並区高井戸東一丁目18-5
TEL 03-5317-5661
0〜6歳までグループでの療育 他 相談、個別指導有
杉並区 肢体不自由児対象
社団法人すみれ学園 杉並区高円寺南三丁目31-18
TEL 03-3314-0421
 
世田谷区 知的障害児対象
わんぱくクラブ 世田谷区太子堂四丁目17-10
03-3411-6893
集団保育を目的とする
第2わんぱくクラブ 世田谷区三宿二丁目27-6
わんぱくクラブ育成会 http://www.wanpaku-club.npo-jp.net/
にじのこ 世田谷区南烏山六丁目2-19 烏山区民センター内
03-5314-2488
事務局 にじのこはうす’のこのこ’
世田谷区北烏山八丁目18-8 ハイツFC1F TEL&FAX 03-5314-2488
 
世田谷区 肢体不自由児(者)対象
東北沢つどいの家
http://www.geocities.jp/enzhouse/
旧 http://www.bekkoame.ne.jp/~enzhouse/
世田谷区北沢四丁目24-22
03-3465-1832/td>
肢体不自由児(者)を対象に日常生活の指導及び訓練
玉堤つどいの家
http://www1.odn.ne.jp/~aao85550/tudoi/
世田谷区玉堤二丁目3-1
03-5706-6951/td>
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「こども発達センター」に通って 杉並区   本橋 文子     2001版

    自分の子供に障害があると分かる前から、杉並区には「こども発達センター」という施設があるのは知っていました。 家から近かったため、時々通りかかる時も、ここに通ってくるこの親は大変だなあと人事のように思っていたのが、ある日、自分の子供のことで、その門をくぐろうとは思っても見ませんでした。 施設がまだ新しく、明るい感じだったのが、とても救われる思いだったのを想いだします。 初めて相談に行ったときの対応も、病院や役所などの機械的な対応とまったく違い、安心していろいろ話が出来たことと、3月末に滑り込みで相談しに行ったにもかかわらず、4月からのたんぽぽ園の入園手続きを、短期間で対応していただきました。 今年で3年目ですが、医師による医療相談、個別の言語指導、理学療法、作業療法、成長に合わせた摂食指導など、あらゆる相談をしています。 ただ、杉並区の施設としては、ここだけなので、定員人数に限りがあるためか、うちのような後退していく病気だと、次々にいろいろな療育をと思うのですが、そこら辺の融通が少々きかないのは難点です。 不安だらけの日々から、少しずつ、楽しく安心できる場所を頂いて、いろいろな障害を持つ子供達、お母さん達と出会って、お友達がたくさんできたことがなによりも心強く、嬉しいことでした。 これからも障害を持つ子が伸び伸び生きていけるような社会になってほしいと祈る思いです。

Teacchプログラムについて  社会福祉法人 電気神奈川福祉センター 志賀利一     2001版

◇ TEACCHとは?
      1960年代の前半に米国のノースカロライナ大学で、自閉症とその両親のための集団療法が開始されました。 これが、TEACCH(ティーチと呼ぶ)プログラムの起源だと言われています。 今では信じられないことですが、当時の治療の対象は、自閉症児というよりその両親だったのです。 固く心を閉ざし、自由に自分の感情を表現できなくなった自閉症児。 このような子を育ててしまった両親に、その原因を「気づいて」もらうことこそが、療育だったのです。

      勘違いも甚だしいこの治療プログラムにも、将来につながる2つの偶然が生じました。 ひとつは、ノースカロライナ大学が個別療法ではなく、集団療法を採用したことに端を発します(と推測されます)。 集団で治療を受けていた親のグループは、早々と、ノースカロライナ州の自閉症協会の設立に動きました。 もうひとつは、このプログラム開始に際して、精神分析のトレーニングを受けてきた心理療法のスペシャリストを招聘したことです。 当時、博士課程を終了したばかりのエリック・ショプラーは、この治療プログラムに参加してすぐ、「今のアプローチは、助けになっていないだけでなく、問題をより大きくしている」と、プログラムのあり方自体を否定してしまったのです。

      TEACCHプログラムとは、その後(1960年代中頃以降)、ノースカロライナ大学を中心に全州的に発展してきた、自閉症をはじめとしたコミュニケーション障害児者に対する、総合的な援助プログラムのことを言います。 初期は、連邦政府の研究基金(日本だと厚生労働省の研究基金相当?)で、大学を中心に自閉症の障害とその療育についての基礎的な調査研究を行っていたようです。 1970年代前半には、全世界で初めて、自閉症とその家族のための、診断・療育・教育・福祉そして研究の全責任を、州から委託されたのです。 例えば、某大学医学部の中に「自閉症支援部」が存在し、そこに都(教育・福祉・医療・保健も含め)が、自閉症に関するあらゆる事業を委託し、その「自閉症支援部」が委託された予算の配分、具体的な事業展開、さらに人事まで責任をもって管理しているようなものです。

      このようにTEACCHプログラムとは、ノースカロライナ州では自閉症に関係したあらゆるサービスを展開しています。 そして、その有効性は広く全世界に知られるようになりました。 その中でもっとも有名なのが、1980年代前半から洗練されてきた「構造化」の手法です。 TEACCHといえば、絵カードや写真を使う、教室にパーテーションを組み入れる、壁に向かって座りひとりで勉強する、などを連想する人が多いのも、この構造化が有名だからです。

◇ TEACCHの特徴
    ◆包括的な取り組み
        TEACCHプログラムは、包括的であると言われます。 それは、どうしてでしょうか? 不正確な部分もありますが、従来の療育モデルとTEACCHの包括的なモデルを対比してみます。

    療育モデル包括的モデル
    基本となる理論単独・混合混合(可能性のあるものを取り入れ吸収)
    治療・訓練の場治療室・訓練室日常生活全般
    専門領域単独複合
    例:医療単独、心理単独必要なあらゆるサービス調整
    対象年齢比較的短い期間ゆりかごから墓場まで
    例:幼児期のみ 
    例:青年期まで など 


      私たちの国では、行政による区分で、医療や教育・福祉といった領域分けや、幼児期だけ、あるいは学齢、成人期だけといった、特定の時期だけを対象にしたサービスが行われます。 自閉症児者を中心にした連続性のあるサービスとはどのようなものか見当がつきません。 でも、これに魅力を感じない人はいないはずです。

      ◆診断と評価
          ある保育園の職員同士の話し合いです。 「自閉症の○○ちゃんは、みんなといっしょの保育には興味をもってくれないし、座って何かすることもありません。 常に、職員の誰かが横に付き添っていないと、保育室を出てどこへいってしまうかわかりません。」 障害児保育に積極的に取り組み、実績をあげている園であっても、担当になった職員の苦労は絶えません。 職員同士で、他の障害のある子への対応など経験談を話し合っても、なかなかこの苦労は解決されない場合が多いのです。 TEACCHでは、どうしているのでしょうか?

          まず、評価の視点が全く異なります。 ここでは、あくまで保育園の活動についてしか情報がありません。どんなに動き回る子でも、家ではしばらくの間座っていられる時間があるかもしれません。 あるいは注意集中が可能な興味のもてる活動があるかもしれません 。例えば、家ではアンパンマンのビデオを何度も繰り返しみていたり、アンパンマンの絵本を眺めたり、その塗り絵をするのに熱中しているかもしれません。 保育園でも、同様な絵本や、塗り絵、或いはパズルなどに一生懸命取り組めるかもしれないのです。

          診断や評価ということばには難解な専門用語がつきものです。 「興味や関心をもつ事柄は何か?」といった基本的な情報を、日常生活の全般から収集しようとする努力を、忘れてはいけません。 TEACCHは、このような日常生活全般の評価を大切します。 さらに、療育のパートナーである家族からの情報を非常に尊重します。

      ◆障害特性を配慮した環境整備   私たちの国でも、知的障害のある人向けの情報誌や、案内文が作成されるようになってきました。 どれも、比較的短いセンテンスで、平易な単語を用い、そして漢字にはルビがうってあります。 目の不自由な人に対するめがね、足の不自由な人に対する杖や車椅子と同じように、発達に障害のある人に対しても、まずどのような周囲の配慮が、必要なのかが考えられるようになってきたのです。 自閉症の障害特性にマッチした、周辺環境の配慮の方法について、もっとも早く、そしてもっとも的確に提案したのがTEACCHプログラムです。 今いる場所では何をすればいいのかを明確に伝えるための「部屋のレイアウト変更」、今は何を行い、次に何をするかを伝えるための「個別のスケジュール提示」、目の前のどの情報が重要でどれが不必要かを伝えるための「視覚的な配慮」など、多くの自閉症の人にとって利用しやすい視覚的な工夫を、豊富な具体例をあげてTEACCHでは解説します。 また、人とのコミュニケーションを絵や写真を使って、円滑に行う成功例も紹介してくれました。このような障害特性に配慮した方法論をTEACCHでは総称して「構造化」と言います。

        構造化とは、絵やパーテーションが無くてもできます。 例えば、先ほどの男の子の事例で考えてみます。この子は、水遊びが大好きで、夏に保育園で行うプール遊びの活動には、嬉々として参加できました。 しかし、問題があります。 プール遊びの時間が終わっても、その子だけ止めようとせず、ひとりプールで遊んでいるのです。 抱きかかえてプールから出そうものなら、大声をあげて泣き叫びます。 この園では、何も物を使わずに、環境整備をしただけで、プールの問題が無くなりました。 まず、「いつその活動を終えていいのかわからない」特徴をもっている子だと、職員は理解しました。 他の子がプールから出て着替え始め、先生が「さあ終わりだよ、プール出なさい」と指示するだけでは、プール遊びを止めて次の活動に移ることはできないし、そこに障害があると考えることにしたのです。 さらに、次に好きな活動、或いは、はっきりわかる活動が控えている場合、抵抗なく次の活動に移れることも理解しています。 そこで、プール遊びは、その子にとって次の活動がわかりやすい時間の前に行うことにしたのです。 今までは、保育運営の慣習で、プール遊びをクラス単位に割り振っていましたが、このクラスは、昼食前の時間に行うことにしました。 プールが終わりに近づくころには、給食の準備ができ、目の前の教室でもテーブルが昼食用に並べられます。 さらに、最初にプールを出た子は、着替えて、食器の配膳が始まっているのです。 これだけ、次に何をするかがはっきりしている状況では、普段強く抵抗する子でも、簡単にプールから出ることができたのです。まさに、構造化の応用例です。

    ◆洗練された現任教育
        4番目の特徴は、洗練された職員教育プログラムです。 TEACCHプログラムは、ノースカロライナ州のすべての自閉症児(ならびに関連する発達障害児者)の包括的な支援プログラムの責任をもっています。 となると、膨大な数のスタッフをかかえているはずですが、実は少数精鋭で運営されています。 では、日常のサービスは誰が担っているかというと、日本同様、学校の教員や各種福祉サービスの職員が行っています。 異なる点は、各現場の職員の教育プログラムならびにその後の継続的なコンサルテーションを一括してTEACCHが実施している点です。

        TEACCHが有名になった理由のひとつに、この現場の職員の教育プログラム、つまり現任教育の質の高さがあります。

        日本をはじめ、ヨーロッパ、中東・アジア、南米、アフリカまで、TEACCHが広まったのは、文献や講演会といった言語を介した情報だけでなく、実際にその国の自閉症児者が参加する形態の、ノースカロライナとほぼ同様の現任教育プログラムが輸出されたからだと思われます。 この現任教育の内容については、後述のビデオで具体的に紹介されています。

◇ TEACCHの情報を収集するには
    TEACCHプログラムについての情報は、比較的容易に入手できるようになっています。 特に、朝日新聞厚生文化事業団からは、平易に書かれたガイドブックならびに映像で紹介されているビデオが出ています。 以下には、最近の代表的なものを掲載しました。

    ◆朝日新聞関係
    【書籍】
    ・G.メジボフ他著(2001) 自閉症の人たちを支援するということ(TEACCHプログラム新世紀へ) 朝日新文厚生文化事業団発行 800円
    ・内山登紀夫・諏訪利明他著(2000) 自閉症の人たちへの援助システム(自閉症の人たちを正しく理解し、地域での日常生活の援助を考える) 朝日新聞厚生文化事業団発行 500円

    【ビデオ】
    ・ノースカロライナ州にみる自閉症治療教育(TEACCHプログラム) 朝日新聞厚生文化事業団 全6巻 各3,000円
    *なお、上記書籍ならびにビデオは一般の書店等では購入できません。朝日新聞厚生文化事業団(TEL:03-5540-7446、FAX:03-5565-1643)にお問い合わせください。

    ◆書籍
    佐々木正美著 自閉症療育ハンドブック(TEACCHプログラムに学ぶ)学習研究社2,400円
    内山登紀夫他著 自閉症のトータルケア(TEACCHプログラム最前線)ぶどう社1,650円
    代表的で読みやすい書籍を2冊紹介しましたが、専門書を含め、TEACCHならびに関連した書籍はたくさん発行されています。 ちなみに、インターネットの書店(例:Yahoo!ブックショッピング等)で検索する際には、「TEACCH」「ショプラー」「メジボフ」で検索してみてください。

    ◆講習会

    全国で、定期的にTEACCHプログラムのトレーニングセミナーならびに講習会が開催されています。 自閉症協会の広報(いとしご)や各協会支部のHPなどをご参照ください。

    ◆HP
    http://www.teacch.com/ 本家、米国ノースカロライナ州のホームページです。(英語です)
    http//wev.kyoto-inet.or.jp/org/atoz3/ask/ 日本自閉症協会京都府支部のページです。
    http://www.nucl.nagoya-u.ac.jp/~taco/aut-soc/rainman/ 「あたらしい自閉症の手引き」のページです。
    ・・・TEACCHのパンフレットの日本版や、自閉症に関する入門情報ならここ。

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